ゼロになって

短歌と日記と趣味について

短歌のかいせつ

冬野水槽です。
スランプと体調不良が続くので、気持ちの整理がてら解説をします。
過去に投稿したやつをぼちぼち見返しつつ、推敲できるポイントがあればそれにも言及していきたいです。

 

雨は夜 スクールゾーンの舗装されていない道路、しとしと光れ

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雨降る夜、スクールゾーンの砂利道が街灯の光に照らされ、静かに輝いているさまを描いた歌です。私の小学校時代の通学路をイメージして作りました。(舗装されてはいましたが)


雨の美しさが最も際立つのは夜の間だと思っているので、「雨の夜」ではなくあえて「雨は夜」としました。
しとしとひかれ」は雨粒によって揺れる水たまりの輝きをイメージし、また不安定で不規則な様子を表現したく、ひらがな表記で柔らかい印象に仕上げました。


この画像は、街灯のオレンジ色の温かい光をイメージして作ったものです。
光を主軸にしたかったので、あえて歌を端に寄せ、電球(=光)を真ん中に配置しました。
今となって考えれば、水たまりの様子をもっと強調できるような画像やレイアウトにするのもアリだったかもしれないですね。歌自体は気に入ってます。性と死以外の歌が詠めたとは。

 

 

事故物件ばかり残ったアパートをいつまで家と呼べるだろうか

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木下龍也先生の『天才による凡人のための短歌教室』で紹介されていた、「〇〇ばかり残った○○をいつまで〇〇と呼べるだろうか」のフォーマットに沿って考えた歌です。すなわちパクリとも言える。
こういうのって個人的に練習するのはともかく、自身の作品として世に出しちゃいけない気がする。私個人としては。あくまで木下龍也先生をリスペクトした一首です。

 

句の内容自体は単純で、事故物件の部屋が増えるにつれ、家としての寿命が縮まっていくアパートの悲哀を描いたものです。

画像はちょっとだけこだわりました。素の画像が生活感のない部屋って感じで”良”だったんですけども、文尾をちょうど床に配置することで幽霊感というか、「そこに何かいる」という感じを演出しました。これが100%オリジナルだったらなあ

 

 

 

「なまもの」で触れた唇ばかり見てその内容が入ってこない

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意中の人から頂き物をした一コマです。「これ、生ものだから早めに食べて…」みたいな説明を受けている最中にもかかわらず、「なまもの」と動いた口の動きを追ってしまい、内容どころではない…って感じの歌です。かなり曖昧。

 

実際に口に出してみるとわかるんですが、「なまもの」という言葉は発するのに必ず上唇と下唇が触れます。それも二回も。「ま」と「も」の部分ですね。(こういう音ってなんか名前ついてた気がする。知らんけど。)
という唇の動きと、「なま」という言葉が秘めたどことなくインモラルな響きにドギマギしてる、という心理状態です。童貞の妄想じゃん。

 

画像について。
ハート型に曲がったページは触れた唇を暗喩しています。
また歌を画像下部に配置することによって、本にピントが合わない(=内容が頭に入ってこない)という状況を示唆しております。我ながらよう思いついたわ

 

 

 

型落ちの送迎バスの補助席に腰掛けるぼく
LINEは来ない

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完ッ全に個人的な体験を詠んだ歌です。
以前友達二人と遊びに行く約束をしたのですが、当日の朝になっても待ち合わせ場所と時間が明かされなくて、結局体調不良ってことにして休んだんですよね。その時の気持ちを詠んだものです
(二人とも、もう片方が送ったと思ってたらしい。今でも仲は良好です。)

 

LINEが来ない状況の「ぼく」を、「型落ちの送迎バスの補助席」という明らかに必要とされる状況が少ないものとして表現しました。分かりづらい。

 

葉のない木と曇り空という、物悲しい印象を与える画像に、活版印刷を思わせる少しインクが滲んだようなフォントを使い「古さ」や「一番にはなれない」みたいな感情を想起させられるような一首にしました。だいぶ無理矢理かもしれない。

 

結構昔に作ったものなので色々と粗があるとは思いますが、具体的にどう推敲すれば良いのかまでは思いつかないです。そのレベルには達せていないのかもしれない。

 

 

 今回はここまでです。

また近いうち更新できればいいな